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決算書は出来あがった時点では過去の数字 [資金繰り]

 「まず、決算書を3期分出して下さい。」

 銀行員時代、融資の申込みがあった際に、最初に言っていたフレーズです。

 お金を融資したり、出資したりする場合、まず書類として提出してもらうのが決算書。
 私も今まで述べ数で言うと1,000社以上の決算書を見てきました。

 したがって、会社にとって一番大事な資料は決算書であると考えておられる経営者の方も多いのではないでしょうか。

 決算書は税務申告の基礎となるものであり、また、企業のいわば成績表として、銀行などが会社の状況を判断する上での重要な資料となります。
 
 しかし、実際に経営者が日々活動を行っていく上で、実際にはどのくらい決算書を活用しているでしょうか。

 というのも、決算書はいわば過去の数字であるからです。

 通常の場合、決算月が終わって2ヶ月以内に伝票を整理し、いろいろと数字を取りまとめて、決算書を作成します。

 このため、3月決算の会社であれば、5月末には数字を固めて決算書が出来上がってくる訳ですが、

 ・決算書の損益計算書(P/L)の売上高は去年の4月から今年3月まで合計
 
 ・決算書の貸借対照表(B/S)の預金残高は3月末の数字

です。

 ということは、

 ・去年の12月までは売上が好調だったが、今年に入って受注が激減

 ・4月に大口の支払があったため、5月末の預金はぎりぎりで7桁

といったような場合、前期の決算数字は経営者が指針とするべき指標としてあまり意味をなさないという事が起こりえます。

 前期の決算数字が良かったために、銀行は融資してくれるかもしれません。

 しかし、大切なのは、融資は受けることではなく、返済すること。
 今年に入って受注が減っている状況が続いていると、せっかく借りたお金が返せないということにもなりかねません。

 決算書は対外的にも非常に大事な資料であることは間違いはありませんが、決算書は絶対ではないのです。

 決算書は出来上がった時点では既に過去の数字。
 今日を見つめ、明日への布石を次々に打っていかなければならない経営者は、将来に目を向けた別の指標を常に持っておく必要があります。
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アヤメセブン

改めて気がつかされる説明で、なんだか力が湧いてきます♪
by アヤメセブン (2010-07-30 03:08) 

岩井徹朗★会社の土台作り

アヤメセブンさん

コメントありがとうございます。大変励みになります。
by 岩井徹朗★会社の土台作り (2010-07-30 10:48) 

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