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検査、検査、検査では事足りず [モニタリング]
私の最初の勤務先は銀行。
今振り返ると箸の上げ下げまで細かく規定されていた感じですが、それとともにいわゆる「検査」が定期的にありました。
①店内検査
支店長や副支店長が机の鍵がちゃんとしまっているか、現金残高は合っているか、などをチェックします。
朝一番で行われることが多いのですが、たまには営業時間中に実施されることもありました。
外出先から帰ってきた時にカバンを開けさせられ、取引先から預った現金や小切手などがきちんと集金帳についているかどうかを確認されるのです。
銀行にとっては信用が第一。特に現物と言われるお金や小切手、お客さんの署名・捺印のある書類などはなくすと大変です。
このため、これらを預った時には預り証を発行し、支店に帰ってきた後は金庫内の所定の場所に所定の方法で保管するルールになっています。
これらが日々きちんと行われているかを まず支店の中でチェックするのです。
②検査部検査
次に本部の検査部が数年に1回の割合で支店を検査します。
検査日の当日は社員の人もすぐにお店の中には入れません。
9時の営業時間開始前にまず現金等の検査を行うため、当日は全員が早出でした。
私も新婚旅行から帰ってきた翌日がたまたま検査初日だったことがあり、旅行のお土産を持って支店の検査に臨んだことがあります(笑)。
そして、現物検査が終わった後、主に貸出金や預金、外為など実務に関する検査が始まります。
権限違反はないか、必要な書類はきちんと揃っているか、上席者の承認や確認は実行されているか、などを事細かにチェックされるのです。
いくら営業の成績がよくても、検査部での評価が低いと、支店の評価は大きく下がります。支店の評価が下がると賞与や昇給・昇進にも影響してくるため、社員は事務面もしっかりと対応することが求められていました。
③監督官庁検査
銀行の場合は、免許事業であり、監督官庁である金融庁(当時は大蔵省)の検査も定期的にあります。
また、日銀の場合はなぜか日銀考査と呼ばれていましたが、日銀による検査もありました。
これら監督官庁の検査は①や②と違い、外部の検査ですからより大変。特に貸出金の健全性を重点的にチェックされるため、資料を整備するのにかなりの時間を要した記憶があります。
このように銀行の場合、お客様の大切なお金を預るという公共性があるため、
・ルールをきちんと作る。
・ルールが守られているかを自ら確認する。
・別途外部の組織も状況を確認する。
ということが実施されています。
一方で、一般的な事業会社の場合、銀行ほど検査、検査という状況ではありません。
今上場会社では内部統制報告制度への対応があるため、従前に比べると自己点検や内部監査という点でルールの整備状況や運用状況を確認する機会が増えていると思いますが、非上場企業の場合、規程や規則がない、あっても有名無実化しているというところも多いのではないでしょうか。
特に免許事業等でない場合、監督官庁による検査もなければ、入社以来検査や監査など一度も経験したことがないという社員の方もおられるかもしれませんね。
私もベンチャー企業に勤めていた際、拍子抜けするくらい何も(検査が)ないので、「普通、会社ってこんなものなかあ」としみじみ感じたことがありました。
銀行の場合はやや極端な事例かもしれませんが、いずれにせよ、ルールを作り、それをきちんと守っていくことは一筋縄でいくことではありません。
銀行でも一般の会社に比べてあれだけガチガチに規則やマニュアルを作っていたとしても、様々な不祥事はけっしてなくなっていません。
そして、新たな問題が起きるたびにルールの改正があり、法律が変われば、手順も大きく変化しています。
したがって、検査をやれば事足りるという訳ではけっしてないのです。
肝心な事はルールを作りっぱなしにしないこと。
そして、そのルールができた背景やその意義を社員が理解するまで根気良く施策を続けること、です。
銀行の例でも、検査成績が業績評価につながるという仕組み以外にも、
・現物を素預かりしていた同僚がたまたま運悪く店内検査でその状況が見つかったということがありました。そして、その同僚はしばらくして別の部署に転勤・・・。
・権限違反の融資を実行して営業成績を上げていた先輩が、後からそれが発覚し、課長から降格・・・。
というようなことがありました。
信賞必罰ではありませんが、上の人が本気を見せないと、社員の間に「ばれなければいいや」という雰囲気が漂います。
もちろん、罰則で縛ることだけでは不充分。経営者の覚悟が問われることになるのです。
今振り返ると箸の上げ下げまで細かく規定されていた感じですが、それとともにいわゆる「検査」が定期的にありました。
①店内検査
支店長や副支店長が机の鍵がちゃんとしまっているか、現金残高は合っているか、などをチェックします。
朝一番で行われることが多いのですが、たまには営業時間中に実施されることもありました。
外出先から帰ってきた時にカバンを開けさせられ、取引先から預った現金や小切手などがきちんと集金帳についているかどうかを確認されるのです。
銀行にとっては信用が第一。特に現物と言われるお金や小切手、お客さんの署名・捺印のある書類などはなくすと大変です。
このため、これらを預った時には預り証を発行し、支店に帰ってきた後は金庫内の所定の場所に所定の方法で保管するルールになっています。
これらが日々きちんと行われているかを まず支店の中でチェックするのです。
②検査部検査
次に本部の検査部が数年に1回の割合で支店を検査します。
検査日の当日は社員の人もすぐにお店の中には入れません。
9時の営業時間開始前にまず現金等の検査を行うため、当日は全員が早出でした。
私も新婚旅行から帰ってきた翌日がたまたま検査初日だったことがあり、旅行のお土産を持って支店の検査に臨んだことがあります(笑)。
そして、現物検査が終わった後、主に貸出金や預金、外為など実務に関する検査が始まります。
権限違反はないか、必要な書類はきちんと揃っているか、上席者の承認や確認は実行されているか、などを事細かにチェックされるのです。
いくら営業の成績がよくても、検査部での評価が低いと、支店の評価は大きく下がります。支店の評価が下がると賞与や昇給・昇進にも影響してくるため、社員は事務面もしっかりと対応することが求められていました。
③監督官庁検査
銀行の場合は、免許事業であり、監督官庁である金融庁(当時は大蔵省)の検査も定期的にあります。
また、日銀の場合はなぜか日銀考査と呼ばれていましたが、日銀による検査もありました。
これら監督官庁の検査は①や②と違い、外部の検査ですからより大変。特に貸出金の健全性を重点的にチェックされるため、資料を整備するのにかなりの時間を要した記憶があります。
このように銀行の場合、お客様の大切なお金を預るという公共性があるため、
・ルールをきちんと作る。
・ルールが守られているかを自ら確認する。
・別途外部の組織も状況を確認する。
ということが実施されています。
一方で、一般的な事業会社の場合、銀行ほど検査、検査という状況ではありません。
今上場会社では内部統制報告制度への対応があるため、従前に比べると自己点検や内部監査という点でルールの整備状況や運用状況を確認する機会が増えていると思いますが、非上場企業の場合、規程や規則がない、あっても有名無実化しているというところも多いのではないでしょうか。
特に免許事業等でない場合、監督官庁による検査もなければ、入社以来検査や監査など一度も経験したことがないという社員の方もおられるかもしれませんね。
私もベンチャー企業に勤めていた際、拍子抜けするくらい何も(検査が)ないので、「普通、会社ってこんなものなかあ」としみじみ感じたことがありました。
銀行の場合はやや極端な事例かもしれませんが、いずれにせよ、ルールを作り、それをきちんと守っていくことは一筋縄でいくことではありません。
銀行でも一般の会社に比べてあれだけガチガチに規則やマニュアルを作っていたとしても、様々な不祥事はけっしてなくなっていません。
そして、新たな問題が起きるたびにルールの改正があり、法律が変われば、手順も大きく変化しています。
したがって、検査をやれば事足りるという訳ではけっしてないのです。
肝心な事はルールを作りっぱなしにしないこと。
そして、そのルールができた背景やその意義を社員が理解するまで根気良く施策を続けること、です。
銀行の例でも、検査成績が業績評価につながるという仕組み以外にも、
・現物を素預かりしていた同僚がたまたま運悪く店内検査でその状況が見つかったということがありました。そして、その同僚はしばらくして別の部署に転勤・・・。
・権限違反の融資を実行して営業成績を上げていた先輩が、後からそれが発覚し、課長から降格・・・。
というようなことがありました。
信賞必罰ではありませんが、上の人が本気を見せないと、社員の間に「ばれなければいいや」という雰囲気が漂います。
もちろん、罰則で縛ることだけでは不充分。経営者の覚悟が問われることになるのです。
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社員のやる気をどう出せるかではと思いますが。
これが非常に難しいのでは。
by 新危機管理研 (2010-09-28 21:22)
建築でもそうです。工事会社の経営者や設計者が本気をみせないと職人は「ばれなければいい」という雰囲気で仕事します。
by しょうたく (2010-09-28 21:22)
おはようございます。本当に検査検査・・・・
多いです・・・・
by やま (2010-09-29 05:40)
新危機管理研さん
コメントありがとうございます。
>社員のやる気をどう出せるかではと思いますが。
まさにその辺りのさじ加減が難しいですね。
by 岩井徹朗★会社の土台作り (2010-09-29 19:25)
しょうたくさん
コメントありがとうございます。
やはり本気度というのは人に伝わりますね。
by 岩井徹朗★会社の土台作り (2010-09-29 19:28)
やまさん
コメントありがとうございます。
本来は自主的に運営し、検査も最小限で済ませるのが理想的だと思いますが、世の中全体としては逆の傾向が強い感じです。
by 岩井徹朗★会社の土台作り (2010-09-29 19:32)